MCA、基地局市場の動向に関する調査結果を発表

移動体通信・IT分野専門の調査会社である株式会社 MCA(https://www.mca.co.jp/)は、携帯電話基地局市場の調査を実施し、その結果を4月19日に発表しました。調査結果の要旨は以下の通りです。

◆キャリア各社の設備投資額の推移と予測

  • 2022年度は前年度並みの1.5兆円規模を維持した国内モバイルキャリア投資
  • ソフトバンクと楽天モバイルによる投資抑制がはじまる2023年度
  • 2社の投資抑制が響く2024年度以降は1.2兆円規模にとどまる見込み

◆5G基地局数と5G投資額の推移と予測

  • 2022年度は5G基地局数が約17万局に拡大
  • 現在は5Gがメインとなる大手3社の基地局投資

本調査結果については、調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2023年版」(税込220,000円)として、発刊しています。


■調査結果抄録

◆キャリア各社の設備投資額の推移と予測

□2022年度は前年度並みの1.5兆円規模を維持した国内モバイルキャリア投資

2022年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5,466億円、KDDI(au)は3,380億円、ソフトバンクが3,475億円、楽天モバイルは2,952億円、UQコミュニケーションズ(UQC)が90億円、Wireless City Planning(WCP)は100億円の合計1兆5,463億円と推定した。セルラーキャリア各社はKDDI(au)を除き、ほぼ横ばいの投資額になっている。なお、楽天モバイルは単独の設備投資額を公表しており、当該レポートから単独の数値を採用した。

□ソフトバンクと楽天モバイルによる投資抑制がはじまる2023年度

2023年度はNTTドコモが5,660億円、KDDI(au)は3,400億円、ソフトバンクが2,700億円、楽天モバイルは1,776億円、UQCが100億円、WCPは100億円の合計1兆3,736億円を見込む。。ソフトバンクと楽天モバイルによる投資抑制が2023年度からはじまり、国内キャリア投資額に向かい風となる。

□2社の投資抑制が響く2024年度以降は1.2兆円規模にとどまる見込み

今後、NTTドコモは5,000億円半ばで推移し、KDDI(au)がモバイル向けに3,000億円超の投資が続き、2026年度に3,000億円に落ち着き、ソフトバンクは2022年度をピークに、2023年度以降は2,700億円の投資が続く。一方、楽天モバイルは2022年(2022年12月期)まで約3,000億円の投資が続くが、2023年以降は大幅に投資抑制が進む。それに伴い、合計投資額は2026年度に1兆2,100億円にまで縮小する見込みである。


◆5G基地局数と5G投資額の推移と予測

□2022年度は5G基地局数が約17万局に拡大

国内市場における5G基地局数(LTE周波数のNR化含む)は2022年度時点で16万9,800局となった。NTTドコモが30,900局、KDDI(au)は52,000局、ソフトバンクが65,300局、楽天モバイルは21,600局である。KDDI(au)が2022年度にLTE周波数のNR化を積極展開したことにより、大幅な拡大となった。5G専用周波数帯に注力するNTTドコモと楽天モバイルに対し、LTE周波数のNR化に注力するKDDI(au)とソフトバンクとの新局数の開きが際立っている。

□現在は5Gがメインとなる大手3社の基地局投資

現在、キャリア各社の設備投資は5G向けが主流になっているものの、LTE向けも小規模に推移していく。今後、各社の基地局投資はNTTドコモが2,500億円強で推移するのに対し、KDDI(au)は2024年度以降、ソフトバンクが2023年度以降、投資抑制がはじまる。楽天モバイルに至っては、2024年以降、大幅に投資が抑制される見込みである。


■調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2023年版
~総務省発表値を基に2022年度のセルラーキャリアのLTE-A/5Gインフラ戦略及び投資動向と周辺部材市場をキャリアやベンダ、エンジ会社など多角的な視点から総合的に分析~

発行日:2024年4月
判型:PDFファイル(A4版210頁)
発行・販売:株式会社 MCA
頒価:220,000円(税込)
販売方法:PDFファイルのダウンロード
申込方法:オンライン注文
※調査レポートの目次など詳細は「レポート目次」をご参照ください。


■本件リリースに関するお問い合わせ
株式会社 MCA(MCA Inc.)
担当:大門(だいもん)
E-Mail:info@mca.co.jp
TEL:03-5325-0222