MCA、基地局市場の動向に関する調査結果を発表

移動体通信・IT分野専門の調査会社である株式会社 MCA(https://www.mca.co.jp/)は、携帯電話基地局市場の調査を実施し、その結果を4月11日に発表しました。調査結果の要旨は以下の通りです。

◆基地局(無線機)ベンダシェア・動向

  • 国内無線機市場で活躍する北欧ベンダ
  • 北欧ベンダは2023年度にシェア50%強へ拡大
  • 国内ベンダの回復に欠かせないNTTドコモの5G展開

◆エンジニアリング(基地局工事)市場シェア・動向

  • ・全国系大手エンジ会社3社のシェアは60%強
  • ・グループ内再編や組織整備が進む大手エンジニアリング会社
  • ・KDDI(au)と楽天モバイルの5G展開で市場は微増

本調査結果については、調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2024年版」(税込220,000円/イントラ版は税込440,000円)として、発刊しています。


■調査結果抄録

◆基地局(無線機)ベンダシェア・動向

□国内無線機市場で活躍する北欧ベンダ

国内無線機ベンダシェアの推移をみると、2023年度は北欧ベンダが53.5%と過半数を占めた。国内ベンダは21.4%へ縮小し、アジアベンダは韓国KMWによる楽天モバイルへの供給が続くものの、サムスン電子ジャパンの孤軍奮闘が続く。

□北欧ベンダは2023年度にシェア50%強へ拡大

エリクソン・ジャパンはKDDI(au)の旺盛な5G展開を受け、2023年度も国内最大手を維持した。ノキアソリューションズ&ネットワークスもKDDI(au)特需が追い風になっているが、NTTドコモやソフトバンク、楽天モバイルでの堅調さも影響している。なお、アジアベンダのサムスン電子ジャパンはエリクソン・ジャパンと同様に、KDDI(au)特需の恩恵を受けた。

□国内ベンダの回復に欠かせないNTTドコモの5G展開

2023年度はNTTドコモが基地局展開を抑制した結果、日本電気(NEC)は第4位、富士通が第5位にとどまっている。NECは楽天モバイルでの5G展開が追い風となるものの、富士通はNTTドコモのみへの供給のため、NTTドコモによる基地局展開抑制に大きな影響を受けた。2024年度以降は5G開設計画の最終年度である2023年度を過ぎるものの、ハイレベルな計画を達成したKDDI(au)の5G展開のようにNTTドコモやソフトバンクにも旺盛な5G展開に期待がかかる。


◆エンジニアリング(基地局工事)市場シェア・動向

□全国系大手エンジ会社3社のシェアは60%強

2023年度の基地局向けエンジニアリング市場は全国系大手エンジニアリング会社3社が62.1%のシェアを獲得した。最大手はコムシスグループで、エクシオグループ、ミライト・ワングループと続く。2023年度は5G開設計画の最終年度であり、ハイレベルな計画を申請したKDDI(au)と楽天モバイルが計画を上回る実績を記録している。

□グループ内再編や組織整備が進む大手エンジニアリング会社

引き続き、全国系大手エンジニアリング会社でグループ内再編が進んでいる。日本コムシスが2024年7月にサンコムの事業を承継し、2024年7月には三和電子とジンワを子会社化した。エクシオグループは2024年4月に首都圏エリアのグループ会社3社を合併し、2024年12月には共栄電業とコアテクノを子会社化、2025年1月に北海道と九州エリアの子会社統合を実施している。ミライト・ワンも2024年7月に光陽ホールディングスを子会社化し、2025年1月にはミライト・ワン・ネクストを誕生させた。

□KDDI(au)と楽天モバイルの5G展開で市場は微増

基地局向けエンジニアリング市場は2023年度に前年度比2.4%増となる1,740億円となった。2023年度は5G開設計画の最終年度となり、ハイレベルな計画を申請したKDDI(au)の積極展開とともに、楽天モバイルも旺盛な5G展開が行われた。一方、NTTドコモとソフトバンクは5G展開に消極的であったが、KDDI(au)が47,940局という5G屋外基地局を設置した以上、両社にも同規模の基地局展開が期待される。


■調査レポート「携帯電話基地局市場及び周辺部材市場の現状と将来予測 2024年版
~総務省発表値を基に2023年度のセルラーキャリアのLTE-A/5Gインフラ戦略及び投資動向と周辺部材市場をキャリアやベンダ、エンジ会社など多角的な視点から総合的に分析~

発行日:2025年3月
判型:PDFファイル(A4版222頁)
発行・販売:株式会社 MCA
頒価:220,000円(税込)
イントラ版は440,000円(税込)
販売方法:PDFファイルのダウンロード
申込方法:オンライン注文
※調査レポートの目次など詳細は「レポート目次」をご参照ください。


■本件リリースに関するお問い合わせ
株式会社 MCA(MCA Inc.)
担当:大門(だいもん)
E-Mail:info@mca.co.jp
TEL:03-5325-0222